この記事は、学歴や職歴に自信がなくて東京でのタクシー転職を迷っている方向けです。先に結論を書きます。日本交通の募集要項には「学歴不問」と書かれていて、大和自動車交通の応募条件にも学歴はありません。年間推計額の平均は 570 万円で、その上に 1,000 万円に届く人もいます。そして歩合で増えた分は、源泉徴収票という勤務先が法律に基づいて出す書類に残る。学歴ではなく数字で見られる場面が、入社したあとにもあります。 数字は 2026 年 9 月時点で編集部が元資料を開いて確かめたものです。
応募に要るのは普通免許。日本交通の募集要項は「学歴不問」
日本交通の応募条件は普通免許の取得 1 年以上と 19 歳以上で、募集要項には「学歴不問」とあります。大和自動車交通(中途は第一種免許 3 年以上・21 歳以上)の募集要項にも、学歴の条件はありません。面接には履歴書を持っていきます。編集部が確かめたのはこの 2 社です。 二種免許は入社後に取れて、費用はどちらの会社も会社が出します。19 歳・免許 1 年でも二種を受けられるのは、2022 年 5 月 13 日施行の改正道路交通法で受験資格特例教習ができたからです。
ここが入口です。
免許と年齢だけで入れる仕事は、そう多くありません。履歴書に書けることが少なくて不安なら、履歴書の書き方と面接の受け答えまで一緒に準備してくれる転職支援サービスもあります(この記事の最後で紹介しています)。詳しい流れは二種免許は入社後に会社負担で取れるに書きました。
平均 570 万円の下にも上にも人がいる
令和 7 年の賃金構造基本統計調査で、東京のタクシー運転者の年間推計額は 570 万 3,500 円でした。都道府県で 1 位です。東京ハイヤー・タクシー協会の「東京のタクシー 2026」も、同じ統計から 570.3 万円と載せています。ただし比べる相手も東京で、全産業労働者は 677 万 9,800 円。差は 107 万 6,300 円あります。月の労働時間も東京都の集計で 198 時間、全産業の 169 時間より 29 時間長い。
ここで話を止めると半分になります。全国ハイヤー・タクシー連合会は同じ資料にこう書いています。「平均値のみをもって賃金水準を評価することは適当ではなく、分布全体を踏まえた評価が必要である」。
全国の統計で分布を見ると、順位が変わります。145 職種の中で、下位 10 % の水準では 134 位。中位数では 79 位。上位 10 % では 58 位で、推定年収 900 万円以上の層が占める割合では 49 位でした。下に厚く、上にも伸びる。年功で上がる産業とは形が違います。平均だけを見て決めるのはやめた方がいい。
年齢で切るともう一つの形が出ます。20〜24 歳のタクシー運転者は 483 万円で、同年代の全産業 361 万円より 122 万円高い。差は年齢とともに縮み、35〜39 歳で逆転します。55〜59 歳では 160 万円の開き。高いのは若いうちだけ、というのが統計の言っていることです。
年収 1,000 万円には 1 乗務約 11.6 万円が要る。1 日 1 車の平均の 1.8 倍前後
年収 1,000 万円に届く人はいます。ただ、その割合を示す統計はありません。参考になるのは自己申告の調査で、東京の回答者の約 20 人に 1 人(41 名ほど中 2 名、4.88%)が、いまの平均月収(額面)100 万円以上と答えています。歩合率を 60 % と置くと年間売上はおよそ 1,670 万円。隔日勤務で月 12 乗務なら、1 乗務あたり約 11.6 万円が要ります。東京 23 区と武蔵野・三鷹の実働 1 日 1 車あたりの運送収入は令和 7 年度で 62,731 円(税込、東京ハイヤー・タクシー協会の資料)。単位は 1 乗務と同じではありませんが、その 1.8 倍前後を毎回出し続ける計算です。内訳は東京のタクシー運転手の年収で確かめてください。
簡単ではない。
同じ 1 時間でも、走る場所と時間で中身が変わります。当サイトが東京都内の路上情報を約 1 年分・2 万件以上集めて数えたところ、車が余っている報告を需要の報告で割った比率は、六本木で 0.28、東京駅で 0.06 でした。4.8 倍の開きがあります。余りの報告の 59% は 22 時台から 2 時台に集まる。混む場所と取れる場所は違います。
増えた分は源泉徴収票に残る。学歴を見ない市場がある
歩合で増えた分は、給与明細だけでなく源泉徴収票に載ります。勤務先が法律に基づいて出す書類で、自己申告ではありません。課税証明書なら市区町村の役場でも取れます。
この違いが効く場面があります。結婚相談所の入会審査です。編集部が IBJ 加盟のメルティアの公式サイトを確かめたところ、入会条件 10 項目のうち学歴に関するものは 1 つもありませんでした。男性に求められるのは「定職に就いており、一定の安定した収入があること」。提出書類は源泉徴収票・確定申告書・課税証明書・納税証明書のいずれか 1 点で、給与明細は受け付けないと書いてあります。学歴証明書は短大卒以上の人が出す書類で、入会の条件ではありません。
マッチングアプリの年収欄は自己申告です。証明書を出す市場では、職業名より先に数字が見られる。同じ年収でも、見られ方が変わります。年齢の上限も置いていない相談所があり、40 代・50 代・60 代を同じ料金で受けると公式のよくある質問に書かれていました。
ただし相談所ごとに扱いは違います。編集部が 3 社の公式サイトを見たところ、メルティアは学歴証明書を「短大卒以上の方」の書類と書き、ムスベルは卒業証明書を条件なしで必要書類に挙げていました。入会資格そのものを公開していない相談所もあります。申し込む前に入会資格のページを読んでください。年齢と居住地で使える転職サービスが変わるのと同じで、ここも条件を先に見るのが早い。



